第2回1万人大会

日時
1984年8月3日(土)〜4日(日)
場所
静岡県佐久間吉沢ユースホステル

1984/ミスターバイク誌3月号 第1回ミスバイククラブ1万人大会 開催決定記事

色気、食い気で飲みまくり 女だらけの24時間

右、左、上、下、全部女の子!

 まさか第2回が出来るとは思わなかった。去年初めてやった一万人大会は、非常にスタッフの苦労が多く「一度やると疲れが半年残る」というハードさ。ところがまたやってしまった。しかもこうして想い出すだけで、笑いがこみ上げてくる。わけがわからない内にニタニタしてしまう。それほど楽しくて、凄かったのだ。もうミス・バイクたちは一万人大会の虜になってしまったみたい。

 8月3日、抜けるよーな青空が広がって最高のお天気。前日は夜2時すぎまで準備に追われたスタッフが朝もはよからその続きにてんてこまい。人もほとんど住んでいないこの山奥。耳を澄ますと全国のミス・バイク達がこの地を目指してカッ飛んでくる音が聞こえる気がして、準備の手を全然休められないのだ。すると、どこからか1台のバイクの音。「ゲッ。ついに幻聴が・・・」と思ったら、まだ10時だというのに、一番乗りだった。駆け寄ってみると、なにやら見覚えがある娘。なんと去年も参加してくれた千葉の中西朝子ちゃんだった。よく来てくれたネの言葉もそこそこに早速手伝ってもら・・・、へへ、イエ、こき使いましたです。

 その内、パラリパラリとやって来た。そこへ、ニューカタナと共に何故か車が・・・。やや、去年も男の子に送ってもらった北畠めぐみちゃんが、今年は荷物を持ってきてもらったとの事。「困った娘だネ」なんて談笑しているとその彼が、「なんか警察がネズミ捕りやってるゼ。これから先回りして女の子に教えてあげるヨ」との情報。そうして、去年同様爽やかに去っていった。その後捕まった娘がいなかったのは、あなた様のお陰。ありがとネ、チュッ。

 その内、みんなプールに入り始めた。つなぎを脱ぎ捨てて、ビキニの水着になったミス・バイク達。山と田んぼに囲まれた会場はいきなり「ギャルの砂浜、湘南」気分のお色気で溢れかえった。そこへ写真を撮りにまりこに突然5、6人が襲いかかり服のままドポーンとプールへ。次はスタッフの信ちゃん。最後は礼子。持っていったビデオをむしり取り、手足をつかんでプールへと。その後、やけくそになって、3人してそのまましばらく泳いでおりました。ハイ。

 そこへ突然、パトカーが一台やってきた。「なっなんなのアレ」とお世話になったことのあるミスバイクが動揺する中、会長のるみ子がにこやかに応対。聞けば、第1回のときに女の子目当ての暴走族が来て大変だったという噂が流れたらしい。エッ、ウッソー。見渡す限り、女の子と農家のおじいさん、おばあさんばかりだったけどねえ。とにかく、族をとり締まって女の子を助けてくれるそーなアラッ嬉し。宜しくネ。で解決。

 2時過ぎには約50代ぐらいが集まった。去年もそうだけど、赤いバイクが多い。ウェアかヘルメットにも必ず赤が入る。ピンクのウェアも今年はぐーんと増えた。750も10台という多さ。確実にみんなステップアップすると共に、ファッションが可愛らしくなってきてるみたい。

出会い、再会、満場の笑顔

 さて、いよいよ恒例となったウルトラクイズ。珍問、難問が続出。芸能、社会、バイク、礼子、あらゆる知識が必要とされるのだ。思わず笑ってしまったのは「礼子は昔万沢康夫サンとつき合っていた」にほとんどのミス・バイクが○を出したこと。いやー、万沢サンが聞いたら腰抜かしちゃうかもネ。残念ながら×なのヨ。ゲームに組み込まれたアメ食い競争も激しかった。小麦粉をものともせずにアメを探し回る姿は、はっきり言ってコワイワ。そうして熾烈な戦いの末に優勝をもぎとったのはなんと親子で参加の親の方、高橋和子サン。

 このお母さん、今やウルトラの母と共に「ミス・バイクの母」として並び称される魅力的な女性なのだ。母はGPZ600R、子はFZ750。2人とも自他に認めるカッ飛び屋。このお母さんの迫力には、最後に対決した中西朝子ちゃんもあっさり白旗。罰として、プールの中のこんにゃく探しをさせられてしまった。

 次はDJ1での0〜30m競争。誇ったまんま、誰が一番早く押せるかというもの。礼子も挑戦したところお尻のでっかさが邪魔をしてダメ。すると“親子”の子である高橋三智子ちゃんが、6秒51の最高タイムを出した。そこで去年ミス・バイク大賞を取った小川美佐子ちゃんが挑戦。しかし、6秒77で惜敗。結局、三智子ちゃんの優勝。2つのゲームを親子でさらうとは、なんて強い家系かしら。

 そして、いよいよ食事タイム。やっぱ、みんなで食べるって最高。次々と到着する娘をビールやチュウハイ片手に全員が笑顔で迎えながら、話は弾むばかり。一人で来た娘が多いのに、もう10年来の友達みたいに話してる。今回で2回目の参加者は約3分の1。「久しぶり」や「どこから来たの」の声が飛び交っている。

 そろそろみんなが満腹する頃に日が暮れてきた。いよいよ花火大会。派手にロケット花火を・・・と思ったけど、なにしろ山間のグランド。下手にうち出しゃ、お山が燃える。そこでびびりながらの花火大会となった。少々欲求不満気味ではあるが、爆竹で締めくくり。そして、いよいよメインイベントの130人大宴会だ!

 実は今回、会長岩貞るみ子ちゃんが一身上の都合により会長を引退し、またスタッフの佐藤節子ちゃんも閉会と共に日本一周へと旅立つことになっていた。そこで宴会前に2人を白々しく外におびき出し、全員にクラッカーを配った。2人を宴会場に入れる。一斉にクラッカーの洗礼。パン、パパン。2人とも言葉なくニコニコしている。全員が口々に「お疲れ様」「気をつけてネ」みんなの暖かい笑顔が嬉しくて、つい涙が・・・。名誉会長の礼子が挨拶をした。「こうやって、昨日まで知らない人とつながりが持てる。それが少しづつ広がっていけば、もっともっと大きなパワーになっていくと思います。そうして、みんな一つのことが出来たらいいナ。女の人だからこそできることがいっぱいあると思うんです」そこへ、高橋お母さんが「みんな礼子ちゃんの後についてくヨ」と一言。全員、大拍手でさらにも盛りあがる。そのときの礼子への一気コールを皮切りに女の子の酒盛りが始まった。

また来年!が合い言葉

 まずは、るみ子ちゃん、節子ちゃんのあいさつ。そして、いよいよ15秒自己紹介。みんながみんな自己主張があって、輝いて見えたネ。

「日を間違えて、先週もここに来たんです。GSの息子さん家に泊めてもらいました」「9年間無事故無違反だったのに今日、赤キップをもらいました」「子供できたら、ヒモでくくって日本一周します」「今日休みじゃなくて会社に電話入れたら、上司に何も言わずに切られました。クビかなあ」「テントで6日間野宿してやってきました」「52キロオーバーを『一万人大会に行くです』と言って許してもらいました。でも途中でチェーンが切れちゃった」「この大会は私が知らない内に主人が申し込んでいました。今度は一人で北海道に行くはめになっています」

 本当にいろんな人がいる。みんながそれぞれのストーリーを持っていた。その後、ミス・バイク各賞の発表。ヘルメットを賭けての全員ジャンケン。なんと決勝には去年も決勝まで生き残り粉砕した新井園子ちゃんが残っていた。その悔しさで今年は限定解除したという。去年の雪辱なるかとの期待を見事に裏切って、またしても負け!強運なんだか不運なんだかわからない娘ネ。

 異様なもりあがりを魅せたのがオークション。宴会場は一転してデパートのバーゲン売場と化してしまった。やはりいくらバイクギャルとはいえ、買い物には目がないのネ。

 宴会が終わったのがもう12時半。みんな寝場所へ帰ってゆく。新たな酒盛りが始まって、いつの間にか人生相談になっている。昨日まで知らない人が真剣になって話を聞き、話している。寝つけない集団が腕相撲大会をやり始めた。以前「今月の芸能人」に出てもらった野村歌代子ちゃんが並みいる敵をバッタバッタとなぎ倒していた。

 翌日は記念撮影。そして解散。それぞれがまた普段の生活へと戻っていった。「また会おうね」「来年もやってね」「気をつけてヨ」お互いがお互いに声をかけ合って別れてゆく。こんな山奥までありがとう。シャワーが止まったり、ビールが足りなくなったり(!)色々あったけど、嫌な顔一つせず、みんなありがとう。もう2度と会えない人もいるかも。でも決してみんな忘れないハズ。新しい出会いと再会を願って来年もきっとやります!

レポート/まりこ

ミスバイクが大好きだ!

 最近のミス・バイクって、何て気持ちがいいんだろう−私はしょっちゅう、こんな感銘を受けている。もの凄い勢いで増えだした女の子だけど、逢えば逢う程、その感が強まるのです。ちょっと気の強くてプライドが高くて下手に声を掛けられないようなミス・バイクって、もう居ないんじゃないかしら。こういうのって時代遅れなのかもしれませんね。

 で、一万人大会なんか。特にそういう傾向が強いように思う。参加した人からの手紙で一番多いのは、「みんな素敵な人ばかり」とか「友達が沢山出来て最高」とか「なんであんなに気持ちいい人ばかり揃ってるの」なんて雑誌のCM文句みたいなのが多いし、実際そうなんだからびっくりしちゃうんだよね。

 でも、私凄くいいことだと思う。ミス・バイククラブの輪って、まだ出来たてだけど、とても透明な色をしているような気がするのね。純粋、素直、パワー・・・・・・そんな塊を感じます。宴会でも言ったのだけれど、最近私、みんなから教えられる事って一杯あるんだ。個人だったりグループだったり全体だったりする訳なんだけど、ようするに一人一人が凄く魅力的な個性を持っていると思う。そしてフッと気がついた。今の時代って、もしかしてたとえば堀ひろ子さんとかミスバイクプレスの編集長とか誰々さんとか特別さんっていなくって、逆にすべのミスバイクが、それらの人なんだなぁ、って。わかるかなー?

 ようするに私は一万人大会に集まってくれた虹色の羽を持つ女性達に感謝しておるのだ。楽しかったョ!アリガト。

礼子